「うちの子、外で遊ぶのがあまり好きではなくて…。」
保護者の方から、このような相談を受けることがあります。
ゲームや動画は好きだけれど、公園へ行ってもすぐに帰りたがる。
虫を怖がる。
泥遊びを嫌がる。
そんな姿を見ると、
「もっと自然の中で元気いっぱい遊んでほしい。」
そう願う保護者の方は多いのではないでしょうか。
でも、安心してください。
外遊びが好きな子は、生まれつきではありません。
幼児期に「楽しい!」という体験をたくさん積み重ねることで、少しずつ外遊びが好きになっていきます。
そして、その「好き」は体力だけではなく、主体性や好奇心、学ぶ意欲など、子どもの未来につながる大切な力へと育っていきます。
今回は、自然体験が子どもの成長にどのような影響を与えるのかをご紹介します。
外遊びが好きな子は、生まれつきではありません
「うちの子はインドア派だから。」
「外遊びより室内遊びの方が好きなんです。」
そう話される保護者の方もいらっしゃいます。
もちろん、子どもにはそれぞれ個性があります。
しかし、幼児期はまだ「好き」が育っている途中です。
つまり、
好きは才能ではなく、体験の積み重ねで育つものだと私たちは考えています。
最初は虫を怖がっていた子も、
泥で汚れることを嫌がっていた子も、
友達と一緒に遊ぶ中で、
「楽しかった!」
という経験を重ねると、自分から外へ出たがるようになります。
私たちは、この変化を何度も見てきました。
「楽しい!」という体験が「好き」を育てる
子どもは、
楽しいことをもう一度やりたくなります。
例えば、
- 初めてバッタを捕まえられた
- 大きな水たまりで思い切り遊べた
- 木登りができた
- どんぐりをたくさん拾えた
こうした体験は、
子どもの中で
「またやりたい!」
という気持ちになります。
反対に、
「汚れるからやめよう。」
「危ないから触らない。」
そんな経験ばかりでは、
外遊びは楽しいものにはなりません。
もちろん、安全はとても大切です。
しかし、安全に配慮した上で、
思い切り遊び、
夢中になり、
「できた!」
という成功体験を積み重ねることが、
外遊びを好きになる第一歩なのです。
自然体験は主体性や好奇心を引き出します
自然の中には、
決められた遊び方がありません。
遊具のように、
「こうやって遊びましょう。」
という説明書もありません。
だからこそ、
子どもたちは自然と考え始めます。
「今日は何をして遊ぼう?」
「虫はどこにいるかな?」
「この木は登れそう!」
遊びを自分で見つける。
遊び方を自分で考える。
それが自然体験の魅力です。
「どうやって遊ぼう?」が主体性を育てる
町田こどもMURAでは、
虫取りへ行く時に、
あえて虫網や虫かごを持って行かないことがあります。
すると子どもたちは、
「帽子で捕まえよう!」
「葉っぱで囲んでみよう!」
「ビニール袋を持ってこよう!」
と、自分たちで方法を考え始めます。
大人が答えを教えたわけではありません。
子ども自身が考え、
工夫し、
試し、
失敗し、
また挑戦する。
この繰り返しが、
主体性を育てていきます。
私たちは、
AI時代だからこそ、
「正解を覚える力」だけではなく、
自分で考え、工夫する力がますます大切になると考えています。
自然は、
その力を育てる最高の教材です。
「好き」は学びの入口になります
子どもは、
好きなことになると驚くほど集中します。
虫が好きな子は、
何種類も名前を覚えます。
電車が好きな子は、
駅名をどんどん覚えます。
恐竜が好きな子は、
難しい名前まで言えるようになります。
誰かに勉強しなさいと言われたわけではありません。
知りたいから学ぶ。
これが本当の学びです。
自然体験も同じです。
「もっと虫を見つけたい。」
「鳥の名前を知りたい。」
「葉っぱはどうして色が違うの?」
そんな小さな興味が、
学ぶ意欲へとつながっていきます。
だから私たちは、
幼児期には「教え込む」よりも、
夢中になれる体験をたくさんすることが大切だと考えています。
外遊びの積み重ねは体力だけでなく「生きる力」につながります
外遊びというと、
「体力がつく。」
というイメージを持つ方が多いと思います。
もちろん、それも大切な効果の一つです。
しかし、私たちは毎日の保育を通して、
外遊びの本当の価値は、その先にあると感じています。
自然の中で夢中になって遊ぶ。
友達と相談する。
思い通りにいかず工夫する。
何度も挑戦する。
こうした経験の積み重ねは、
体力だけではなく、
- あきらめない力
- 自分で考える力
- 挑戦する勇気
- 人と協力する力
など、
いわゆる非認知能力を育てていきます。
そして、この力は、
小学校、中学校、高校、大人になってからも、
学びや仕事、人間関係など、
さまざまな場面で土台になります。
私たちは、
外遊びとは「遊び」ではなく、
人生の土台を育てる時間だと考えています。
体力があるから学びも主体的になります
以前、卒園した保護者の方から、
とても印象に残るお話を聞きました。
年長さんの時に、
大阪・関西万博へ行かれたそうです。
大阪・関西万博の会場は、
**約155ヘクタール(東京ドーム約33個分)**という、とても広い敷地があります。
1回目は、
「年長さんなら絶対にベビーカーが必要ですよ。」
という周囲のアドバイスもあり、
ベビーカーを持って行ったそうです。
すると、
疲れると座ってしまいます。
移動も大人が決めます。
「次はこっちへ行こう。」
「ここを見よう。」
自然と大人が主導になってしまったそうです。
しかし、
2回目は思い切って、
ベビーカーを持たずに参加しました。
すると、
子どもは最後まで自分の足で歩き、
「ねえ、お母さん!あっちも行ってみよう!」
「これって○○なんだって!」
「次はあのパビリオンへ行きたい!」
と、
自分から興味を持ち、
自分から学び始めたそうです。
保護者の方は、
「町田こどもMURAで毎日たくさん外遊びをして体力がついたからこそ、自分の足で歩き切れた。そして、自分から学ぼうとする姿につながったと思います。」
と話してくださいました。
私は、このお話を聞いた時、
改めて感じました。
体力とは、ただ長く歩けることではありません。
体力があることで、
心にも余裕が生まれます。
その余裕が、
「もっと見たい!」
「もっと知りたい!」
という主体的な学びにつながるのです。
幼児期の環境が「好き」を育てます
幼児期は、
人生の中でも、
「好き」
がたくさん育つ時期です。
虫が好き。
木登りが好き。
生き物が好き。
草花が好き。
空を見るのが好き。
こうした好きは、
やがて、
好奇心になり、
学ぶ意欲になり、
その子だけの個性になっていきます。
だからこそ、
幼児期には、
できるだけ多くの
「楽しい!」
を経験できる環境が大切です。
私たちは、
外遊びが好きな子を育てたいのではありません。
自然の中で夢中になる経験を通して、
人生を楽しめる子ども
に育ってほしいと願っています。
保育園を選ぶときに見てほしいポイント
保育園を選ぶ際、
「外遊びをしています。」
という言葉だけでは、
実際の保育は分かりません。
ぜひ、
こんな視点でも見てみてください。
- 子どもたちは楽しそうに遊んでいるか
- 毎日自然に触れる機会があるか
- 外遊びの時間がしっかり確保されているか
- 大人が指示するだけではなく、子どもが自分で遊びを考えているか
- 「楽しい!」という表情がたくさん見られるか
子どもは、
楽しいから挑戦します。
挑戦するから成長します。
そして、
成長したから、
また楽しくなります。
この好循環が生まれる環境こそ、
幼児期にはとても大切だと私たちは考えています。
まとめ
外遊びが好きな子は、
生まれつき外遊びが得意だった子ではありません。
自然の中で、
「楽しい!」
という体験を積み重ねることで、
少しずつ外遊びが好きになっていきます。
今回のポイントをまとめると、
- 外遊びが好きな子は、生まれつきではなく体験の積み重ねで育つ
- 「楽しい!」という成功体験が「好き」を育てる
- 自然体験は主体性や好奇心、自分で考える力を育てる
- その積み重ねが体力・非認知能力・学ぶ意欲につながる
- 幼児期は「好き」の土台を育てる大切な時期
- 保育園を選ぶ際は、子どもたちが本当に楽しそうに外遊びをしているかも見てほしい
子どもたちは、
「やりなさい。」
と言われたことよりも、
「やってみたい!」
と思ったことの方が、何倍も成長します。
だから私たちは、
毎日の外遊びや自然体験を通して、
子どもたち一人ひとりの「好き」の種を大切に育てています。
その小さな「好き」が、
やがて主体性となり、
学ぶ意欲となり、
未来を切り拓く力へとつながっていくことを信じています。






