「もっと自分で考え、行動できる子になってほしい」
保護者の方とお話をしていると、
こんな願いをよく耳にします。
「言われたことだけではなく、自分で考えて行動できる子になってほしい。」
「好きなことを見つけて、夢中になってほしい。」
「失敗を恐れず、挑戦できる子になってほしい。」
こうした力は、これからの時代を生きていく上でますます大切になると言われています。
では、その力はどのように育つのでしょうか。
私たちは、主体性とは
「大人が教えるもの」ではなく、「子どもの中にもともとある力を育てるもの」
だと考えています。
そして、そのためには、
一人ひとりの「やりたい!」という気持ちに気づき、大切にできる環境が欠かせません。
その環境をつくりやすいのが、少人数保育の大きな魅力の一つです。
少人数保育だから主体性を育てやすい理由
主体性とは、
「自由に好きなことをする力」ではありません。
結論から言えば
自分で考え、自分で選び、自分で行動しようとする力です。
この力を育てるためには、
子どもの小さな「やりたい!」を見逃さないことが大切です。
少人数保育では、その小さなサインに気づきやすくなります。
一人ひとりの「やりたい!」に気づきやすい
例えば公園へ行くと、
子どもたちはそれぞれ違う遊びを始めます。
ある子は虫探しや木登り。
他の子は葉っぱ集め。
ある子は友達と鬼ごっこ。
同じ場所にいても、
興味を持つことは一人ひとり違います。
少人数保育では、
その違いを丁寧に見る時間があります。
「最近、虫に夢中だね。」
「今日は木登りに挑戦したいんだね。」
そんな小さな変化に気づくことが、
主体性を育てる第一歩になります。
「みんな一緒」より「その子らしさ」を大切にできる
もちろん、
集団で活動する時間も大切です。
しかし、幼児期は
「みんな同じ」
よりも、
「その子らしさ」
を大切にしたい時期でもあります。
虫が好きな子に、
ずっと折り紙を勧めるよりも、
虫を観察しながら新しい発見をする方が、
学びは深くなります。
好きなことは、
自然と集中できます。
夢中になります。
そして、
「もっと知りたい。」
という気持ちにつながります。
私たちは、
その「もっと知りたい」という気持ちこそが、
主体性の始まりだと考えています。
少人数保育だから「見守る保育」ができる
主体性を育てるためには、
大人がすぐに手伝いすぎないことも大切です。
例えば、
靴を履くとき。
木に登るとき。
虫を捕まえようとしているとき。
つい、
「こうした方がいいよ。」
と言いたくなることがあります。
でも、
少し待ってみる。
すると、
子どもは自分で考え始めます。
「こっちから登ろう。」
「帽子を使えば捕まえられるかも。」
「ビニール袋に入れよう。」
こうした工夫は、
大人が教えたものではありません。
子ども自身が考えた方法です。
少人数保育では、
こうした「考える時間」を大切にしやすい環境があります。
主体性は「見守る時間」から育つ
私たちは、
主体性とは、
待つことで育つ力
だとも考えています。
大人が先回りしてしまえば、
子どもは考える必要がありません。
でも、
少し待つことで、
「やってみよう。」
「もう一回挑戦してみよう。」
そんな気持ちが生まれます。
もちろん、
危険な場面ではすぐに止めます。
しかし、
安全が確保できる場面では、
できるだけ子どもの挑戦を見守ります。
その積み重ねが、
主体性につながっていくのです。
「自由」と「放任」は違います
ここで一つ、
大切なことがあります。
主体性を育てることと、
好き勝手にさせることは違います。
町田こどもMURAでは、
以前の記事でもご紹介した
「秩序のある自由」
を大切にしています。
挨拶をする。
友達を傷つけない。
約束を守る。
こうした土台があるからこそ、
子どもたちは安心して挑戦できます。
自由とルールは、
どちらか一方ではなく、
主体性を育てるための両輪なのです。
少人数保育だから「小さな成長」に気づける
主体性は、
ある日突然、大きく成長するものではありません。
毎日の中にある、
本当に小さな変化の積み重ねです。
例えば、
昨日まで先生に手伝ってもらっていた靴を、
今日は一人で履こうとした。
今まで友達の後ろをついて歩いていた子が、
「今日はこっちへ行こう!」
と初めて自分の意見を言った。
木登りを怖がっていた子が、
「もう一回やってみる!」
と挑戦した。
こうした変化は、
毎日一緒に過ごしているからこそ気づけます。
少人数保育では、
一人ひとりを見る時間があるからこそ、
その子だけの成長を見逃しにくいのです。
保護者と一緒に成長を喜べる
町田こどもMURAでは、
連絡帳や写真、動画などを通して、
保護者の方へ子どもの様子をお伝えしています。
すると、
「家では見せない姿ですね!」
「そんなことに挑戦していたんですね!」
「こんなことが好きだったなんて知りませんでした。」
そんな声をいただくことがよくあります。
子どもは、
家庭と保育園で違う表情を見せます。
だからこそ、
保育者と保護者が情報を共有することで、
その子への理解が深まります。
私たちは、
子どもの成長を保育園だけで喜ぶのではなく、
保護者の方と一緒に喜び合える関係を大切にしています。
主体性は自己肯定感にもつながる
主体性が育つと、
自己肯定感も育ちやすくなります。
なぜなら、
自分で決めて、挑戦して、できた経験は、
「自分にもできる。」
という自信につながるからです。
反対に、
いつも大人が決め、
大人が答えを教え、
大人が手伝ってしまうと、
「自分ではできない。」
と思いやすくなってしまいます。
もちろん、
手助けが必要な場面もあります。
でも、
「少し待ってみる。」
「子どもが考える時間をつくる。」
その積み重ねが、
自己肯定感や主体性を育てていきます。
家庭でもできる「やりたい!」を育てる5つの関わり
主体性は、
保育園だけで育つものではありません。
ご家庭でも、ちょっとした関わり方を意識することで育てることができます。
① 小さな選択を任せる
「どっちの服を着る?」
「どの絵本を読む?」
小さな選択でも、
「自分で決めた。」
という経験になります。
② すぐに答えを教えない
「どう思う?」
「他に方法はあるかな?」
そんな問い掛けは、
考える力を育てます。
③ 挑戦したことを認める
結果だけではなく、
「やってみようと思ったこと」
を認める声掛けが大切です。
例えば、
「最後まで頑張ったね。」
「工夫していたね。」
そんな一言が、
次の挑戦につながります。
④ 少しだけ待ってみる
時間がかかっても、
子どもが自分でやろうとしているなら、
少しだけ待ってみる。
その時間が、
主体性を育てる時間になります。
⑤ 「好き」を大切にする
虫が好き。
電車が好き。
お絵描きが好き。
その「好き」は、
子どもだけの宝物です。
好きなことを深く楽しめる環境が、
主体性や個性を伸ばしていきます。
町田こどもMURAが大切にしていること
町田こどもMURAでは、
「みんな同じことができる子」
を育てたいとは考えていません。
私たちが大切にしているのは、
その子らしく成長することです。
だから、
一人ひとりの「やりたい!」を丁寧に見つけます。
見つけたら、
できる限り挑戦できる環境を用意します。
そして、
必要以上に手を出さず、
子ども自身が考え、
工夫し、
成功や失敗を経験できるように見守ります。
少人数保育だからこそ、
その子だけの成長のスピードに合わせた関わりができます。
それが、
町田こどもMURAが大切にしている保育です。
まとめ
主体性は、
「自由にさせること」で育つものではありません。
子どもの「やりたい!」に気づき、
安心して挑戦できる環境があり、
大人が信じて見守ることで育っていきます。
今回のポイントをまとめると、
- 少人数保育は一人ひとりの「やりたい!」に気づきやすい
- 小さな挑戦を最後まで見守る時間がある
- 子どもの小さな成長を保護者と共有しやすい
- 主体性は自己肯定感や非認知能力にもつながる
- 大切なのは「教えること」ではなく、「子ども自身がやってみたいと思える環境」をつくること
子どもは、一人ひとり違います。
だからこそ、
私たちは「みんな同じ」を目指すのではなく、
その子だけの「やりたい!」を大切に育てていきたいと考えています。
虫網を持って行かない日、
子どもたちは『帽子で捕まえてみよう!』
『ビニール袋を持ってこよう!』と、
自分たちで方法を考え始めます。
大人が正解を与えなくても、
子どもたちは工夫する力を持っています。」
「少人数保育の価値は、
子どもを管理しやすいことではありません。
一人ひとりの『やりたい!』
という小さな火に気づき、
その火が大きく育つように寄り添えること。
それこそが、私たちが少人数保育を大切にしている理由です。」






