「雨の日まで外で遊ぶなんて、大丈夫なの?」
保育園選びをしている保護者の方から、
時々こんな質問をいただきます。
「雨の日まで外遊びをするんですか?」
「風邪をひきませんか?」
「危なくないですか?」
その気持ちは、とてもよく分かります。
大切なお子さんだからこそ、
できるだけ安全に過ごしてほしい。
そう思うのは当然です。
だからこそ、最初にお伝えしたいことがあります。
雨の日の外遊びとは、「無理をして外へ出ること」ではありません。
安全を最優先に考えながら、
晴れの日には出会えない自然を体験すること。
それが私たちの考える雨の日の外遊びです。
雨の日だからこそ出会える世界があります
もし子どもたちに、
「今日は雨だから一日中室内で遊ぼう。」
と言ったら、
きっと楽しく遊べるでしょう。
でも、
雨の日にしか見られない景色があります。
葉っぱの上で光る雨粒。
水たまりに映る空。
土の匂い。
カタツムリ。
ミミズ。
雨音。
風の強さ。
こうした自然の変化は、
教科書では学べません。
実際に感じることで、
初めて子どもの中に残っていきます。
雨の日は「五感」がいつも以上に働く
私たちは、
子どもの成長には
五感
がとても大切だと考えています。
晴れの日よりも、
雨の日の方が、
実は五感をたくさん使っています。
例えば、
見る
雨粒が葉っぱを転がる様子。
水たまりに映る景色。
空の色の変化。
聞く
雨が葉っぱを打つ音。
屋根に当たる音。
長靴で水たまりを歩く音。
におい
雨が降った後の土の香り。
濡れた草木の香り。
これは、
「ペトリコール」と呼ばれる雨上がり特有の香りとして知られています。
触る
濡れた葉っぱ。
冷たい雨。
泥の感触。
普段とは違う感触に、
子どもたちは驚きながら夢中になります。
味わう
もちろん雨を飲むわけではありませんが、
「今日は寒いね。」
「空気がおいしいね。」
そんな会話も、
自然を味わう経験の一つです。
「危ないからやらない」だけでは育たない力があります
もちろん、
安全は何よりも大切です。
雷。
強風。
警報が出ている日。
こうした日は外へ出ません。
しかし、
「雨だから危ない。」
だけで終わってしまうと、
子どもたちは、
自然との付き合い方
を学ぶ機会が減ってしまいます。
例えば、
雨の日は滑りやすい。
だから歩き方を工夫する。
水たまりがある。
だから長靴で入ってみる。
風が強い。
帽子が飛ばされないように押さえる。
こうした経験も、
子どもにとっては大切な学びです。
雨の日だからこそ生き物と出会える
町田こどもMURAでは、
雨の日の散歩で、
子どもたちが
「先生!カタツムリ!」
「ミミズいた!」
と目を輝かせることがあります。
晴れの日には見つからない生き物たちです。
「なんで今日はいるんだろう?」
そんな疑問から、
子どもたちの探究が始まります。
実は、
こうした
「なんで?」
こそ、
学びのスタートです。
私たちは、
答えを教えるよりも、
一緒に考える時間を大切にしています。
そして、葉っぱの裏に
雨宿りしているアゲハチョウを見つけたことがあります。
ここが面白い!
濡れることを気にしないトンボ
隠れる蝶
こういう違いを感じることもできますし、
葉っぱを上からしか見ない子どもが
葉っぱの裏を見る視点を手にいれることもできます。
「雨だから中止」ではなく「雨だからできること」を考える
町田こどもMURAでは、
毎日の外遊びを大切にしています。
でも、
目的は
外へ出ること
ではありません。
目的は、
子どもたちが自然と出会い、
心を動かす体験をすることです。
だから、
晴れの日には晴れの日の遊び。
雨の日には雨の日の遊びがあります。
「今日は雨だから何を発見できるかな?」
そんなワクワクした気持ちで外へ出る子どもたちの姿を見ると、
私たちは改めて、
自然が最高の先生だと感じます。
雨の日の体験は「非認知能力」を育てる
最近の教育では、
非認知能力
という言葉をよく耳にします。
これは、
テストでは測れない力、
例えば、
・好奇心
・挑戦する力
・最後までやり抜く力
・協力する力
・自分で考える力
などを指します。
雨の日の自然は、
毎回違います。
だから正解がありません。
「今日はどんな生き物がいるかな?」
「どうしたら滑らず歩けるかな?」
「水たまりを渡るにはどうしよう?」
こうした小さな経験の積み重ねが、
子どもたちの非認知能力を少しずつ育てていくのです。
雨の日の自然は「考える力」も育ててくれる
以前の記事でもご紹介しましたが、
私たちは、
これからの時代に必要なのは
「条件がそろわなくても、なんとかする力」
だと考えています。
実は、
雨の日は、その力を育てる絶好のチャンスでもあります。
例えば、
「いつもの広場はぬかるんでいる。」
「じゃあ今日は林の中へ行こう。」
「水たまりができている。」
「どうやったら靴を濡らさず渡れるかな?」
自然には、
決められた遊び方がありません。
だからこそ、
子どもたちは毎回考えます。
工夫します。
挑戦します。
これこそ、
AIには代わることのできない、
人間らしい力ではないでしょうか。
雨の日は「主体性」が生まれやすい
晴れの日は、
鬼ごっこ。
虫取り。
木登り。
遊び方がある程度決まることもあります。
でも、
雨の日は違います。
「今日は何をしよう?」
ここから始まります。
雨粒を集める子。
葉っぱを傘代わりにする子。
水たまりへ石を投げる子。
カタツムリ探しを始める子。
同じ場所でも、
遊び方は一人ひとり違います。
つまり、
雨の日ほど、
自分で遊びを作る力
が育ちやすいのです。
家庭でもできる「雨の日の自然体験」
「保育園だからできることでしょう?」
そう思われるかもしれません。
でも、
ご家庭でも十分できます。
例えば、
① 長靴を履いて近所を散歩する
たった10分でも十分です。
晴れの日には気付かなかった景色が見えてきます。
② 雨粒を探してみる
どこに雨粒が残っているかな?
大きさは違うかな?
葉っぱによって違うかな?
これだけでも立派な観察です。
③ 雨の日の生き物探し
カタツムリ。
ミミズ。
カエル。
ダンゴムシ。
「今日は誰に会えるかな?」
そんな気持ちで歩くだけで、
散歩が冒険になります。
④ 雨の音を聞いてみる
屋根。
葉っぱ。
アスファルト。
水たまり。
同じ雨でも、
音は全部違います。
ぜひ、
「どんな音がする?」
と聞いてみてください。
⑤ 雨の匂いを感じる
「今日はどんな匂いがする?」
そんな会話もおすすめです。
大人が感じなくなった自然を、
子どもは驚くほど敏感に感じています。
雨の日だからこそ、安全を大切に
もちろん、
雨の日の外遊びには、
十分な安全への配慮が必要です。
町田こどもMURAでも、
すべての日に外へ出るわけではありません。
例えば、
- 雷注意報や警報が出ている日
- 強風の日
- 増水の危険がある場所
- 視界が悪く安全が確保できない日
こうした場合は、
無理をせず活動内容を変更します。
私たちが大切にしているのは、
「どんな日でも外へ行くこと」
ではありません。
「安全だからこそ、安心して自然を楽しめること」
です。
この考え方は、
ご家庭でもぜひ大切にしていただきたいと思っています。
「今日は雨だからつまらない」が変わる
子どもは、
大人の言葉をよく聞いています。
もし、
「雨だから最悪だね。」
と言われ続けると、
雨は嫌なものになります。
でも、
「今日はカタツムリに会えるかな?」
「水たまりができているかな?」
そんな言葉を掛けられると、
雨の日が楽しみになります。
私たちは、
子どもに好きになってほしいのは、
晴れの日だけではありません。
四季も。
風も。
雨も。
自然そのものです。
町田こどもMURAが雨の日の外遊びを大切にする理由
町田こどもMURAでは、
毎日の外遊びを大切にしています。
それは、
体力を付けるためだけではありません。
雨の日には雨の日の自然があります。
晴れの日には晴れの日の自然があります。
子どもたちは、
自然の中で驚き、
考え、
工夫し、
笑います。
そうした経験の積み重ねが、
子どもの主体性や好奇心、
そして「生きる力」につながると私たちは考えています。
だからこそ、
雨の日も、
安全に配慮しながら、
自然を感じる時間を大切にしています。
まとめ
雨の日の外遊びは、
「無理をして外へ出ること」
ではありません。
安全に配慮しながら、
晴れの日には出会えない自然を体験する時間です。
今回のポイントをまとめると、
- 雨の日は五感をたくさん使う
- 雨の日ならではの生き物や自然に出会える
- 「どう遊ぶ?」を考えることで主体性が育つ
- 自然体験は非認知能力にもつながる
- 大切なのは「毎日外へ出ること」ではなく、「自然と出会うこと」
子どもの成長は、
特別な教材だけで育つものではありません。
一粒の雨。
一匹のカタツムリ。
一つの水たまり。
そんな何気ない自然との出会いが、
子どもの心を動かし、
未来につながる力を育ててくれます。
町田こどもMURAでは、
これからも自然を「先生」と考えながら、
子どもたちが四季を感じ、夢中になって遊べる保育を大切にしていきたいと思っています。





